2013年7月14日日曜日

選挙2

小沢健二「恋しくて」の歌詞の一節で"2人でよく観た映画はなぜだか「シリアル・ママ」とか「蛇拳」とか♪"と歌われることでも有名なジョン・ウォーターズ『シリアル・ママ』が先日めでたく初DVD化されたので久方ぶりに見直してみると、案の定ザ・クラシックだけあって改めて面白かったのですが、キャスリーン・ターナー扮するシリアル・ママの特異さが映画的面白さで際立ちつつも、キャスリーン・ターナーが変なのではなくて実は周り(社会)が変なのだというジョン・ウォーターズ節を例に挙げることがニュアンス的に近いのではないかと思わされたのが今回の想田監督の観察映画第5弾の『選挙2』。

組織、カネ、看板、選挙カー、事務所なし、準備もなしで選挙に「脱原発」というスローガンのみで今回選挙に挑んだドキュメンタリーの主役としての山内さんは確かに奇異なキャラクターで、そのキャラクターが人柄も合わせ映画としては抜群に面白さを醸すところではありながら、山内さんの変さがクローズアップされればされるほど他の候補たちや無関心な市民の描写が逆に際立つ内容で、真面目映画なのに面白怖いというコメディホラー感覚も前作の『選挙1』を大きく凌ぐパンチ具合でした。

また、想田監督の観察映画と謳って撮るそのスタイルも今回かなりいい意味で嫌~なヴァイヴスをあえて波風立てて行っており、そこは想田監督の弁のたつスキルゆえのマジックだなあと恐ろしいほどに敵には回しなくないと思いました(笑)。

上映後、想田監督が登場しての舞台挨拶もあり、前回『ピース』の時は何も言えなかったので今回は質疑応答の際何かしら言えればなあとぼんやりとずっと考えてはいたのですが、いざ手を挙げて想田さんから手渡しでマイクがくると質問が一瞬飛びましたが、「山内さんみたいな無所属の人が当選しようと思うと投票率が上がらないと受からないその風みたいなものを起こすことに当たり、山内さんのゆるいキャラは置いておいても、基本みんな何をしようが無関心なその空気感みたいなところは撮っていてどんな感じでしたか?」といったような内容のことを質問してみました。書けば長くなるので割愛しますが、(実際その様子は劇中にも表れているので当たり前すぎる質問ながら)「感じていた」といったようなご返答を丁寧な言葉で場面を挙げながらじっくりと頂きました。