2013年4月18日木曜日

ロドリゲス~Searching For Sugar Man

ロドリゲス、どーんと入れています!
本年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門で見事オスカーを取った『Searching For Sugar Man(邦題「シュガーマン 奇跡に愛された男」』。既にアメリカ盤でDVDやブルーレイが出ているので見るには見ましたが、いかんせんかなりいろいろな関係者が登場してきてロドリゲスについて語っているので、字幕無しでは理解に困難を極めつつも、大まかに掴んだその内容は、70年に1stアルバム「Cold Fact」、そして翌年の72年に2ndアルバム「Coming For Reality」という2枚のアルバムをアメリカで発売するも全くアメリカでは売れなかったロドリゲスが、なぜか遠く海を隔てた南アフリカの地で、ビートルズやサイモン&ガーファンクルなどと並び一家に一枚級のセールスで爆発的に売れ大人気を博していたロドリゲスを巡るストーリー。

デトロイト出身のロドリゲスが歌ったデトロイトのブルースは、本人の文脈を超えて図らずも南アの社会情勢(アパルトヘイト諸々)という傘の下でくすぶっていた体制に対する突き上げる感情に気持ちよくはまりヒットしたこの数奇な事実を巡るのは現地のレコード店の店主と音楽ライターの2人。

「ロドリゲス、どこにいるんだ?」「ロドリゲス、生きているのか?」「ロドリゲス、ってどんな人ですか?」と、昔の所属レーベルの運営者やレコーディングに携わった方々に話しを聞いて展開する前半から中盤、そして終盤に見事、ロドリゲスとコンタクトが付き、南アフリカの地にきてもらい、6日間にも及ぶソールドアウトライヴを行う(98年)その流れは、「南アで売れたお金はどこに消えたのか?」といったゴシップ、ミステリーは無駄に下世話に広げずふりかけ程度にとどめた全く大味な展開一切なしのシンプルなものながら、このシンプルさこそが、これがこれがでロドリゲスという人の人物像、人間像に(結果見終わった後)重なるナチュラルなタッチで見せてくれ、それもこれも全編に渡り各人の喋りや場面の合間合間に流れるグッとくるロドリゲスのフォークでブルースな染み入る歌(歌声)がダイナミックに音楽映画としての聴き応えも抜群の仕上がりを聴かせてくれます。

カタルシスも抜群にロドリゲスが南アに初めて降り立ち歌ったのが今から15年前に98年。Nasが代表曲「Sugar Man」をサンプリングした「You're Da Man」は2001年。アメリカの再発レーベルLight In The Atticから1st、2ndが再発されたのが2008年、2009年。本国アメリカでの境遇とは真逆のロックスターとしてのロドリゲスのこの状況にスウェーデン人の監督マリク・ベンジェルールが映画として目を付け完成し公開したのが2012年。そして見事オスカーを取ったが今年2013年です。

そんなロドリゲスの1stアルバム「Cold Fact」と2ndアルバム「Coming For Reality」からベストに選曲されまとめられたのが劇中でも大フィーチャーされ聴かせてくれるサウンドトラック。これでほぼ十分ですが、もっと他の曲も聴きたいという僕みたいな人がいればということで1st、2ndと単体のアルバムも入れております。ほどよくそのブルース感がじんわりと揺れるかのごとくサイケにアレンジされている中、70年代のデトロイトや南アも超えて今日響く歌声は鼻歌必至、メロディーは口笛よろしく味わい深くお聴き頂けます!

現在、日本での公開も始まり、首都圏を中心に上映スクリーン数は少ないながらヒットしている(らしい)本作、広島では市内の方で5月末ごろから、岡山では6月ごろから上映の予定も決まっているみたいですが、是非ここ福山でもスクリーンで見たい、聴きたいと思っています。

「Crucify Your Mind」

「I Wonder」

「Can't Get Away」

「Sugar Man」