2010年2月22日月曜日

インビクタス&モア

「インビクタス」での南アフリカワールドカップ開催において、招致開催のPR活動と称し、黒人地区の子どもたちにマット・デイモン率いるスプリングボクスのチームがラグビーを教えに行くシーンで、いきなりなかよくラグビーをしていたシーン諸々を見せられたりしたから、「そんなわけはないだろ」と、木を見て森を見ずな状態に陥り思考が凝り固まっていた中、素直にそういうことかもしれない、いやそうだ、と思った今日この頃、スプリングボクスのチームが最初にバスから降り立ったとき、黒人の子どもたちはマット・デイモンたちには見向きもせずに唯一の黒人選手チェスターに駆け寄っていたあのシーンのみで省略秒撮していたのだろうなどとも、納得というか、宇氏言うところの「波及」という軸にはっとした今、それはもうそれでいい気がしています、というかそういうことだろうと。

なぜかと言うと、今現在で見て触れることができるマンデラに関しての南アフリカ映画を以下簡単に挙げてみたのですが、「インビクタス」での流れは南ア史の一瞬にしか過ぎず、そして、そのインビクタス後から始まり、泥沼化していく黒人対白人の「真実和解委員会」の気配を全く感じさせないからです。でも、その一瞬の出来事から描いた「希望」で「波及」という意味に置いては「真実和解委員会」にも明らかに通じるであろうという思いゆえから。

以下、インビクタスでの細部は自分で勉強して下さい的な感じを胸に期し、時間軸で見る南ア映画を簡単に。全て見るに値する未知の内容のものばかりでした。字幕ありの日本版だと今のところ、これらにしか触れていないのですが、字幕なしでも他にもあったら見てみたいところです。

【マンデラ獄中】
マンデラがロベン島に収監されてた外で、黒人活動家として「黒人意識運動」の中心にいたスティーヴ・ビコ(デンゼル・ワシントン)と新聞社のデスク、ドナルド・ウッズ(ケヴィン・クライン)の交流とビコ死後のウッズの国外脱出までを描いたのが遠い夜明け(1987)。監督はリチャード・アッテンボロー。黒人活動家スティーヴ・ビコを演じるデンゼル・ワシントンが素晴らしいです。また、政府に幾多と阻まれながらも隣国のイギリス大使館へと亡命を見事果たし南アの現状を伝えたドナルド・ウッズの作家魂を含めた行動が凄いです。

【マンデラ収監~釈放~大統領就任】
マンデラが1964年に国家反逆罪終身刑となりロベン島に収監され、1990年2月11日に釈放、そして
1994年4月に大統領に就任したまでを、ボータデクラーク~マンデラという3人の南アフリカ大統領を軸に描いたのがマンデラとデクラーク(1997)。監督はジョセフ・サージェント。マンデラにはシドニー・ポワチエ、デクラークはマイケル・ケイン。マンデラの王子という立ち位置、そして獄中にいながらアフリカ民族会議における精神的支柱としての存在、さらには、なぜ奥さんとの関係が悪化したかというマンデラの策士としての面な、どマンデラの側面を多角的に描いています。

【マンデラ獄中~釈放】
「マンデラとデクラーク」の中でもその交流が一部出てくるマンデラ(デニス・ヘイスバート)と収監されていたロベン島での看守ジェームズ・グレゴリー(ジョセフ・ファインズ)の関わりを描いたのがマンデラの名もなき看守(2007)。監督はビレ・アウグスト。グレゴリーの奥さんグロリア役にはダイアン・クルーガー。ダイアン・クルーガーがいいというのは、本作の視点とはずれるので置いておけば、名もなき看守がいかに名があったかということ、そして、インビクタスで回想されたマンデラの獄中での生活を作業内容も含め細かく描いています。

【マンデラ釈放~大統領就任とその翌年】
マンデラ釈放は90年、そして大統領就任は94年なので、「マンデラとデクラーク」を見ても分かるのですがこの間はわりと長い中、イーストウッド・マジックでそれを秒撮で抑え、大統領就任から翌年の南アフリカ・ラグビーワールドカップまでを描いたのがインビクタス/負けざる者たち(2009)。監督は言わずもがなのクリント・イーストウッド。マンデラにはモーガン・フリーマン、そしてラグビーチーム・スプリングボクスのキャンプテン役にマット・デイモン。

【インビクタス翌年となる96年にマンデラの呼び掛けによって設置された真実和解委員会に関して】
この時期の作品としてはイン・マイ・カントリー(2004)。監督ジョン・ブアマン、そしてヒラリー・スワンク in レッド・ダスト(2004)監督はトム・フーパーという2作品。アパルトヘイト期に白人支配の中で受けた様々な事柄に関し、白人たちが嘘なく罪を告白すれば恩赦が与えられ無罪となるという委員会が真実和解委員会。黒人感情的にもちろん、すんなり白人に対し恩赦は与えられないということをメインに、泥沼化した出来事をどちらの作品も描いています。
「イン・マイ・カントリー」ではアメリカから来た記者役でサミュエル・L・ジャクソン(黒人)、現地で生まれラジオ局に勤め黒人問題に取り組んでいる記者兼レポーター役としてジュリエット・ビノシュ(白人)。この2人をメインに彼らが見て接した真実和解委員会の姿を、そして「ヒラリー・スワンク in レッド・ダスト」では、現地で育ちNYへ弁護士として出るも裁判のために南アに帰ってきた弁護士役としてヒラリー・スワンク(白人)が黒人活動家アレックスを弁護する様をそれぞれ描いています。

2010年2月21日日曜日

ムンナバイ2

ひふみよの読み物でうさぎが「僕は何回見ても泣けますよ」と言っていた「ムンナバイ2」を見ました。現地での公開は2006年で原題は「Lage Raho Munna Bhai」。2003年の「Munna Bhai M.B.B.S.(ムンナバイ1)」の続編です。ムンナバイ1はもちろん見ていませんが、見てなくても十二分に楽しめました。そして結果「ムンナバイ1」も見たくなりました。

インド映画ゆえ俳優たちはヒンディー語。それを英語字幕で追って見たのですが、最初は早口のインド人の台詞回しを英語字幕で追うのにやっとだったのですが、不思議なことに展開が進むに連れて気にならなくなり普通に見れました。とても分かりやすいので。といってもまだ1回しか見ていないので細かい単語単位でのディーテイル自体は全ては把握していないと思うのですが以下ざっとあらすじを。

主人公のムンナ(左の赤のジャケット)はヤクザで毎日海辺に寝そべってはお気に入りのラジオの番組を聞いている。ラジオから聞こえてくるのは聴くだけで心が晴れ上がるような流麗な女性(一番右)の声。なんとか彼女に会えないものだろうかと思っていたところ、そのラジオ番組から出されるクイズで勝ち抜くとスタジオへ行けるという機会が!

ムンナはサーキット(子分。真ん中で両手を広げている人)をパシらせ街の知識人を多数拉致しスタンバイさせ、無数の携帯電話でリダイヤルを連発し、運良く電話が番組に繋がる。何問か出題されたガンジークイズをクリアし見事にスタジオへ行ってそのラジオの女性DJに会う機会を得る。

スタジオに行くと、そこにはラジオから聞こえてきた美しい声に相応しい、いやそれ以上の美人DJが。完全に舞い上がった主人公のヤクザのムンナは、彼女との質問のやりとりの中で職業を「教授」と言ってしまう。そしてガンジーに詳しいことを見込まれて、彼女がラジオDJの傍ら運営している老人ホームでガンジーについて話しをして欲しいと頼まれる。ムンナはもちろん彼女に会いたいので断れず、快諾。

ムンナはヤクザなのでガンジーについては無知識。困った。しかし、彼女の老人ホームへ行く日は迫ってきた。やばいので、図書館へ行き不眠不休で連日ガンジー関連の書物を即席で読みあさっていると、ふとした瞬間にガンジーが降臨してきてムンナに話しかけてきた。しかしそのガンジーの姿はムンナにしか見えない。ムンナは最初、ガンジーを化物だと思うも、これは使えると思い、ガンジーに尋ねる。「今度好きな女性がやっている老人ホームへ行って老人たちにあなた(ガンジー)についての話しをするのだが、助けてくれないか?」。ガンジーは言った「私について祈れば、念じれば、私はあなたのそばにいつでも現れる」。

ムンナの傍らに降臨してきたガンジーの助け舟により何とか彼女の老人ホームで老人たちに見事なガンジー話しを繰り広げたムンナは、彼女からの好意的な尊敬の念も得られ絶好調。しかしその後、、。

と、このあたりまでで本編30分から40分くらいのところでしょうか?この「ムンナバイ2」本編トータル145分あるのでとにかく長いんです。

その後、職業はやくざなのに「教授」と偽ったことが完全に裏目に出て、彼女の老人ホームをムンナのボスがムンナに黙って地上げ屋として老人ホームを叩き壊す事件があったりと大変なことが起きて行きます。ムンナはガンジーに聞きます「どうしたらいいか?」と。ガンジーは言います「正直に本当のことを言いなさい」。で、すったもんだしたあげく「俺は教授ではない、やくざだ」と彼女に打ち明け、彼女が激怒し、さらにすったもんだして、物語は最高のハッピーエンドを迎えていきます。

インド人ならではの心にガンジーを、そして正直に生きるというテーマのもと、大味で繊細な笑って泣けて、笑えるこの「ムンナバイ2」。うさぎは「僕は何回見ても泣けますよ」と言いましたが、僕はまだ1回しか見ていませんが、「僕は何回見てもちょっと泣いて、大笑いできる気がしますよ。」と断言できるほどに面白かったです。

出演者全て、日本人の琴線に触れまくるコメディ心があるのでツボ外さず笑えます。また、あの「スラムドッグ$ミリオネア」のエンディングであったボリウッドならではのみんなで歌って踊るというシーンも随所随所に織り込められていて、それがまた最高にムンナの心情を表現しているかのごとく、素晴らしい見所の一つとなっていて目を奪われました。あと、やはり特筆すべきはこのムンナのその子分サーキットの掛け合い。この親分子分感、最高でした。

木を見て森を見ずな僕なので、他にも言及すべき点が多々あると思いますが、宇多丸氏のインビクタスに素直にもっともだと、参ってしまった中書いたのでこれくらいで。

2010年2月19日金曜日

NO IMPACT MAN

電気なし、紙なし、肉なしといった環境にNO IMPACTに生活してみるという実験を思いついた主人公のコリン・ビーヴァンとその奥さん、そして2歳の女の子の家族を一年かけて追ったドキュメンタリー作品「NO IMPACT MAN」。

流行りの言葉で言えば究極のエコ生活。ペットボトルの水は飲まない、紙を使わない、紙に包まれた野菜は買わない(布にくるんで持ち帰る)、近郊で採れた野菜のみを食べ、肉は遠くからやってくるので食べない。電気も使わないのでテレビ、冷蔵庫、洗濯機といった家電もなし。夜はろうそくの明かりで夕食をとる。車や地下鉄にも乗らない。移動手段はもっぱら自転車(しかし肉の調査をすべく牧場へ行く際には例外的に電車に乗っていました)。

主人公のコリン・ビーヴァンはこの生活を自身のHPと連動させ、NO IMPACT PROJECTを立ち上げ、マスコミに出たりワークショップで語ったりと全てオープンにしているので、売名だのと揶揄もされていたのですが(NO IMPACTなプロジェクトを始めるに当たっての動機はそれに多分近いのかもしれませんが)、やっていること自体は大真面目(でもエコ素人)。よって、知識はあとから付いてくるであろうといった感じに「はい、いまからスタートです」のノリなので、行いながら「これは環境にIMPACTがある行為だ」というふうに取捨選択で学でいくその姿勢には、こちらの目線もとても合わせやすい内容でした。

家族で行うのでもちろん、奥さんも子どもも電気なし、ゴミなしのNO IMPACT共同体。奥さんはゴルチエやマーク・ジェイコブスが大好きのファッション好きのキャリアウーマン。ショッピングや外食が当然大好きで、大のスターバックスのコーヒー好き。子どもの女の子はまだおむつが欠かせないくらいのちっこい子なのですが、紙おむつは禁止なので布のおむつに衣替え。

この奥さんがバムのお母さんを若くした感じの人なのでコメディ感があり面白いのですが、最初はマーク・ジェイコブスのバックをショーウィンドウ越しに垂涎しつつも、化粧も禁止になった辺りからは共に問題点を話し合うように積極的に参加していっていました。当然慣れたとはいえ旦那も奥さんの方も基本、不自由さは否めないのですが、このちっこい女の子は至ってそのNO IMPACTな生活の中で、バスタブでの洗濯や菜園での農作業を楽しくきゃっきゃとして暮らしている様にはenviromentの意の環境だけでなく、surroundingsの方の環境ということも実に考えさせられました。また、テレビがないのでこの家族の家では(喧嘩を含めて)とても会話は多いです。

極端なやり方ですが、やってみないと見えてこないものを見せてくれたという意義のみにおいてだけでもゆうに見るに値した内容でした。最後、1年間という期間がとりあえず終了した日にブレーカーを上げて電気が付き、部屋の中が明るくなった場面には深読みいらずにただただ感動します。

ビジネス化したエコ社会において、個々人の努力では解決するレベルではない地球環境問題。でも個人個人に委ねられているそのシステムの空気の中で、環境問題あほらしいという投げやり感にはどうしてもなることが出きないのは、偽善でもなんでもなくて、単純に言えば、人のルーツ的なところから(であろう)希望ゆえ。



NO IMPACT MAN、プロジェクト自体は現在進行形です。
HP http://noimpactman.typepad.com/
Twitter http://twitter.com/noimpactproject
(フォローしたらお礼のDMがきました。悪い人では間違いなくありません)


予告編


↓日本語訳はこちらを参考に
http://100voices.wordpress.com/2009/09/03/no-impact-man/

2010年2月10日水曜日

Welcome To Wimbledon Tour 2010 @心斎橋クアトロ 02.09.

昨日はかじさんのライブへ!

予定には入れてなかったのですが、前日の夜くらいから、「行かないでどうすんだ!」と我にかえりそのまま眠り、朝起きて半寝の目でこの小暮さんのつぶやきを携帯で確認し、ぱっと目覚めて準備開始。

まあ一応聞いてみようかと、あべくんに「お前、休み?」と電話すると、「休みです。」と。「大阪行く?」と聞くと「行きます」というので一緒に。この時点であべくんは既にそわそわし始めました。


午後1時半くらいの新幹線に乗り、一路大阪へ。車中であべくんはずっと携帯で日記を更新しているものだから、新大阪着いた時点で彼の携帯の電池は切れ、一目散にキオスクで電池を買っていました。その後、彼は目に留まるもの全てを写真に撮る勢いでパシャパシャしていました。

まずは堂島の方へ。プラネタリウムというものを見てみたかったので大阪市立科学館へ行くべく歩いていたのですが、その前に、その川向いにあるかなりお洒落な建物のお洒落なカフェで一休み。

そして大阪市立科学館へ。「火星探査最前線」と題された演目をやられていて、普通に夜空の星を見た後に火星について見せてくれる内容だったのですが、
始まってすぐに真っ暗になり、星の説明を受けていた際に強烈な睡魔に襲われたちまち爆睡してしまったので、ピンポイントで"僕が"楽しみにして行ったのに全く見れませんでした。が、あべくんは全部見たとのことで、「良かった」と。「分かった?」と聞くと、「僕は星に詳しいんです」と。

気を取り直し、心斎橋へ。
大丸の地下を物色していたら、素晴らしいお菓子を発見!
京都若菜屋さんのお菓子「いちごいちえ」。

そして、何か食べるか?ということになり、あべくんの嗅覚でお店を見つけてもらいおでん、串揚げをつまみ、パルコ1階のスターバックスでコーヒーを飲んで呼吸を整え、クアトロへ。


開演前の風景。中央に映っているのは皮ジャンの方!

Welcome To Wimbledon Tour 2010 @心斎橋クアトロ 02.09.

バンド編成を生で見るのは久々でしたが、最高以上の言葉は見当たりません。かじさんのノリと勢いはミラクルに、ナリさんのサックス/フルートの映えっぷりといったら尋常ではなく、そしてカジバンドに合わないわけがない小暮さんのギターは多幸感に溢れ、橋本さんは形容する言葉も見当たらない渋さを超えた存在感を放ち、紅一点yoshieさんのドラムはエッセンシャル!

新作「ストロベリーズ・アンド・クリーム」の楽曲をメインに、リクエストを事前に受け付けたという普段はセットリストにない久々に耳にする曲などを交え、アンコールも含め2時間ぎっしり見せつけてくれました。とくかくかじさんが素晴らしすぎます!

今回はウインブルドン・ツアーと題されていたので、カジバンド全員テニスルックという女子悶絶の光景に、そのあたりの感じも全てひっくるめて十二分に堪能させて頂きました!満足!

2010年2月4日木曜日

Dr.パルナサスの鏡

なんか凄いことになってるらしいというZINSEIの「サヨナライツカ」をにらみつけてやろうかと思ってチケット売り場に並んだのですが、同じ時刻から始まる「Dr.パルナサスの鏡」にあっさり変更してゆっくり鑑賞。

撮影途中ヒース・レジャーの死により、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、そしてコリン・ファレルが何の前触れもなく突然ヒース・レジャーを演じているのことも逆に鏡の中の世界のアクセントになっていると言い聞かせつつ、やはり全部ヒース・レジャーで見たかったという情はぬぐい去れないテリー・ギリアム最新作「Dr.パルナサスの鏡」。

でも、テリー・ギリアム独特のブラックさはもちろんのこと、パルナサス博士一座の即席見世物小屋の中央に陣取る鏡に見立てた銀幕の向こうの世界が正に「ラブリーボーン」ならぬ「ラブリーミラー」のごとくとてもイマジネーション豊かに素晴らしいので、ヒース・レジャーの感傷感も実にポジティヴに変化し見せてくれました。

内容的には大きく省略してまとめると、「灰色世界の中で美しく想像力をかきたてろ!」というテリー・ギリアムからの一つの回答と言えるのではないでしょうか。最高でした。

クリストファー・プラマー演じるパルナサス博士(約1000歳)の娘役がこのリリー・コール。トム・ウェイツ出てるんだ、くらいで誰が出ているのか登場人物を全部は頭に入れて臨んではなかったので、これはデボン青木ではない、、のか?と誰なのか全々上映中は分かりませんでした。エンドクレジットで名前を確認すると、その名前はリリー・コール。スーパー・モデルとのことです。

2010年2月1日月曜日

ラブリーボーン

以前予告編で日本語の女の子のナレーションが入ったものを見たときは、その女の子の声、絶対実年齢が少女ではない人の気がして、「なぜにそんな予告編を作ったんだろうか」と思っていた「ラブリーボーン」を昨日。

率直な感想としては「とても感動しました」。原作をはしょっているので、長尺のわりに展開が強引なんて声も耳にするのですが、確かにスージーのお母さんの言動などにはもうちょっと説明してくれてもとは思うのですが、これは主人公の少女スージーをピーター・ジャクソンならでは描き方でスージーの話にまとめたということを考えると、(実は警官とお母さんができてたなんてびっくりですが)個人的には特に気になりません(原作読んでないし)。

誰も見たことがないので当たり前と言えば当たり前なのですが、やはり、ピータージャクソンをしても「スージーのいる天国を描くのは難しかった。本当に大変な部分だった。」と言わしめた、この世とあの世の狭間の地帯の描写が素晴らしい。そして、この絶景ファンタジー世界をさらに演出するブライアン・イーノの音楽、これも格別。いや、これが格別。

愛、少女、ファンタジー、サスペンス、スプラッター。

父親役のライアンゴズリングが途中降板した件に関して、ピータージャクソンは「後任のマークウォールバーグも2分間くらいは準備期間があった(笑)」と冗談を言われてた当人の父親役マークウォールバーグも、基本演技的にはいつも通りの息の粗さながら、バットを片手にトウモロコシ畑に入るシーンなど魅せてくれました。って、もちろんそこだけではなく、感情移入度も抜群(嫁を理不尽にほっとくという点などに言及することはもう省く!)。それもこれもやはり、スージー役のシアーシャ・ローナンが素晴らしかった。また、ジョギング中に一芝居してミスター・ハーヴィ宅に忍び込んだ妹とミスター・ハーヴィのシーンは尋常ではいハラハラ感だった。名シーンではないでしょうか。

左から 主人公シアーシャ・ローナン (15才頃)/お母さんレイチェル・ワイズ(38才頃)/監督ピーター・ジャクソン(48才頃)/祖母スーザン・サランドン(63才頃)/妹ローズ・マクアイヴァー(22才頃) 

実際は妹の方が年上なんだ(!)それを考えると、マーク・ウォールバーグ、一つ前のシャマラン「ハプニング」感とちょっとかぶったので、「ラースと、その彼女」などとても良かったライアンゴズリングも若いけどとてもやり手なので出来たと思うんだけど。